まだ小さいコリドラスパンダを2匹だけ購入してから1年ほど経過した頃でしょうか。どうやら2匹は雌と雄だったようで、ある日たまたま繁殖行動を目撃しました。
群れで行動しやすいコリドラスですが、この日はかなりベッタリと追いかけっこしている様子。からの、コリドラス特有のTポジションへと移ります。
♂のお腹に♀が吸いつく形。
誠にTですね。
このあとちょっと見守ることにしました。
コリドラスの産卵は個性的
Tポジションが見られた後にはまた追いかけっこ。良く観察すると腹ヒレで卵を上手に挟みながら、ウロウロと産みつける場所を探しているようです。
実に個性的な産卵方法。
産卵場所は水槽面や水草が多く、ときにはフィルター周辺に産み付けることもあります。
今回は全てアヌビアヌスナナ・プチの葉裏がターゲットだったようで、ロックオンすると葉の間を縫うように通りながらうまいこと産み付けます。
1つ1つ丁寧に産み付けていくので追いかけっことTポジションは1度の産卵で何度も見られ、数時間に及ぶこともあります。
産卵数は種類、年齢、サイズ、環境によってまちまちですが、1度に10数個と言ったところで、日をまたいで繰り返すため数百個になることも。
卵は放置でも孵化する?
さてこの産み付けられた卵、このままで無事孵化するの?と若干疑問ですが、中には無事孵化する卵もありますがかなりの低確率。
水槽内で飼育する熱帯魚の多くが天敵になり得ますし、親が卵を食べることも十分ありえます。丁寧に産んでくれますが産み付けた後は関係ないようです(笑)
ちなみにブリーディングが目的ではなかったので、この時の卵を完全放置した結果、稚魚の姿を見ることは見事にできませんでした。
てことで、再び産卵を発見したので隔離してみます。
卵をサテライトで隔離
スドーサテライト(L)で隔離作戦です。
別水槽を用意する手間なく同じ環境を水槽外に作れるので1つあると何かと便利。
産み付けられた卵は意外としっかりしてるので、優しめに指で取ってやりましょう。道具を使ってもOKです。
産卵直後はかなり柔らかいので注意が必要。
卵を隔離することで劇的に孵化率が上昇しますが、別途でエアレーションしてあげると更に効果的。
数日もすれば孵化します(約5日くらい)。真っ白な卵は時間と共に黒くなり、拡大すると中で動いてる姿も確認できます。
隔離した9個の卵は全て孵化。
サテライトでもエアーは供給されるのですが、別途でエアレーションしないで全て孵化しなかった。という経験があるため、酸素効果は高いと信じております。
ところで、こうしてサテライト飼育をしている間にも水槽内では水草に次々と産卵されてまして、水槽内でも3匹ほどコリドラスパンダの稚魚を発見しました。
しかし残念ながらその後に消えます。
ある程度の大きさにはなるものの、エサがうまく行き渡らないのか、それとも食べられてしまったのか…。環境にも左右されますが我が家の水槽内での放置は厳しかったようです。
稚魚に与えた餌
生まれたばかりの稚魚のお腹には栄養分があるので約3日間はエサを与えなくて大丈夫です。
その後はベビーブラインシュリンプを1日3回程度与え、食べきれない餌はスポイトで取り除いていきます。
コリドラス以外にもグッピーなどの稚魚にも与えると強く丈夫な子に育ちます。冷凍タイプなので必要な時に必要な分だけ解凍するだけなので便利です。
日を追うごとに成長が感じられ、徐々にパンダらしくなっていく姿が微笑ましいですね。
稚魚の水槽デビューのタイミング
これって混泳する生体に大きく左右されるので、決まったタイミングなどありません。親コリドラスとだけなら1cmちょっとに成長していれば全く問題ないですが、グッピーやエビが相手なら2㎝程度は欲しいところです。
サテライト内では徐々に成魚の餌に慣れさせ始めていきます。
うちではヒカリクレストを砕いてあげてます。餌として認識してくれれば親と一緒の水槽内でも安心です。
こうして9匹全てが水槽へと戻っていきました。この時で2㎝にも満たなかったと思いますが、いじめられることもなく堂々としたもんです。
おわりに
コリドラスパンダの繁殖は簡単です。
大人しい種で餌にがっつくタイプでもないので、特別視してあげてなんて言われることもありますが、全然そんなこともなくやんちゃだったりします。
最初の水合わせには気をつかいますが、環境に馴染んだ成熟した雄と雌がいれば、放っておいても勝手に産卵するイメージです。
とても可愛らしいので是非チャレンジして下さいね。